私は左利きです。
文字を書くことだけは矯正して右利き(正確には親にさせられた)、ほかは全部左利きのままです。
まだ息子の利き手が分かっていない頃、もし左利きだったらどうするかな…とあれこれ考えたりしていました(おそらく息子は右利きっぽいけども)。
この記事では子供が左利きだった場合に矯正した方がいいのかどうかについて、自分の体験をもとに書いていきます。左利きのお子さんを持って迷っている方は参考にして下さい。
もくじ
左利きのメリット
残念ながらメリットはものすごく少ないです。今は1つしか思いつかない。
国語の縦書きの時、手が汚れなくていいということ。
一部スポーツで活かせるとか有利とか聞きますが、特に学校の授業くらいしかスポーツしてないので、私は実感したことがないです。
それに確実に有利と言えるスポーツ、ポジションがあったとしても、小さい頃から絶対にそれ専門で鍛えたり習い事させる、絶対プロにすると思ってる人はほとんどいないと思うのであまり気にし過ぎることもないかと。
少なくとも自分のこれまでの人生では左利きであるメリットはこのぐらいしか特に思いつかない。
左利きのデメリット
左利きが不便なことはたくさんあります。
選択肢が少ない
特に文具やキッチンツールに多いのですが、例えばはさみを買いに行ったとして。売り場には右利き用に作られたものはたくさんあるのに左利き用となると1つだけ。カラーも商品も選ぶものがない!という悲しいことが起こりやすい。
ひどい時は一つも置いていない。妥協が必要もしくはネットで買うか…と、ほしいものを買うのに時間がかかる、 別注が必要だったり揃えるのに苦労することも。
書きにくい
文字が特徴的
キレイかきたないかは別として、左利きの人が書いた文字は独特な特徴があります。
文字は基本的に右手で書くように作られていて、例えば漢字の一なら、右利きの人は左から右へ軽く”引く”感じだと思います。しかし左利きは左から右へ強い力で”押し出す”感じが基本になり、とても書きにくいのです。
書道でも最高に書きにくく、はらいがはらえない!などの苦労があります。
横書きで困る
先ほど縦書き時にメリットだと書きましたが、そんなの横書きする機会に比べればごくごくごく僅か。
横書きでは手が真っ黒になる、自分が書いている文字が見えないなど大変です。
問題集やテスト用紙で、左側に設問があって右側に回答スペースがある時も最悪。問題を見ながらスムーズに回答していくことができない。目線移動と自分の腕をどける動作が激しく、問題に集中しにくい。
ゲルインクボールペンの難易度の高さ
大事な書類の時はボールペンだとインクをこすって汚しやすいため、手首をぐるっと巻き込んで上から書く・紙を斜めにしてみる・紙を1枚挟む…などなど汚れない工夫をしてみたり。
右利き用が当たり前な道具や仕様の多さに気づく
右利きの人は何も思わないだろう、すでに当たり前のようにあななたちの為に使いやすくされている道具のことを…
ペン先が斜めになっている蛍光ペンはうまく線が引きにくいとか、
定規は右から左に線を引くので何センチかすぐに分からないとか、
役所の記載台にある繋がれたボールペンは使いにくいとか、
レストランに行くと食器類の位置を人知れず逆に置き直していることとか、
スープバーにあるレードル(先がとがって注ぎやすいおたま)は全く有り難くないこととか、
ほんとはサラダバーは反対から行きたい(逆走)違和感とか、
だいたい端っこに座るようにしてるとか(肘がぶつかるから)、
駅の自動改札機は通りにくいとか、
扇子は持ちにくいし仰いでるとだんだん閉じてくることとか、
言われても何が不便なのかピンとこないのもあるのでは?
細かいこと言い出したらキリがないくらい、世の中は右利きに合わせて作られていることが多いんですよね。
左手から右手へ利き手矯正の必要性
個人的意見ですが、文字のみは一度やってみたらいいんじゃないか、と思います。
しかしこの子の将来のために絶対やってあげなきゃ…!とかそんな真剣なことではなくほんと、軽い気持ちです。
日常的に細かい不便や違和感はたくさんあるんですが、右利き人口からみると圧倒的マイノリティなのである程度は我慢して「そういうものだ」と慣れたほうが良いとも思ってますし、
不便なことはあっても、まあ暮らせるんですよ。
でも暮らせるんだけど、文字のみ矯正できればした方がいいと思うのは不便の度合が他の細かなことと比べると大きすぎるから。
しかし後で詳しく書きますが、よほどスムーズにいかない限り矯正の必要はないと思ってます。
利き手矯正のタイミング
私は小学校1年生の、ちょうど文字を練習する時から鉛筆だけは右手で持って書くようにしました(させられたというのが正確)。
それまで絵は描くことがあっても、まだまだ文字を書く習慣も経験もほとんどない年齢だったからか、特に苦労した記憶もないです。なので文字を習い始めるここはベストタイミングだったと思います。
また面白いのが、右利きになったわけではなくてあくまで練習をして書けるようになっただけなので、練習をしていない事は全部そのままなのが奇妙で。消しゴムは左手で使うし、定規で線を引く時には左手にペンをわざわざ持ち換えて使うし、あくまで練習した部分だけができるようになっています。毛筆も練習してないので書道は左で書いていました(これはもっと後で右に直した)。
利き手は持って生まれたものなので、本当に右利きへ矯正なんてことはできないのかもしれません。
利き手矯正のデメリット
デメリットは、本人が練習を少しでも苦痛に感じる場合です。
嫌で嫌でしょうがない、書けない!できない!そんな風に本人が思うのなら、私は即中止させます。そこまでやって矯正するメリットはないと思います。
今だけ頑張ったらあとは楽になるから!などと無理にやらせてでも右利きにして得られるのはもうメリットではないと。その状況が最大のデメリットだと思います。特に子供にとっては。
左右が分からなくなる弊害
利き手を矯正すると左右が分からなくなる(左右盲)、弊害が起こりやすいと聞きます。
私の兄弟も左利きで、私と同じ時期に文字の矯正を試みました。100%その影響だとはいえませんが、彼はまさにこの状態(左右盲)です。
じっくり考えればちゃんと分かるけど、とっさに左右を聞かれたり言われると左右が分からない。
例えば運転中に「そこ右!」と言っても混乱してすぐには分からず困るという具合です。
私と彼とは矯正の過程・感じ方に大きな違いがありました。
私は文字は右手で書くんだ、そういうものなんだなとすんなり思えて特に困った記憶もない。
でも彼はものすごく苦痛だった、嫌で嫌でどうしても続けられなかったと大人になっても覚えていてそんな風に言います。しかも結局矯正にも失敗しています(左で書いてる)。
私が子供の利き手矯正はそんなに一生懸命やらなくていい、と考えてるのは彼の体験・記憶を意識しているからです。
子供の左利きは矯正した方がいいのかまとめ
- 文字を書くことくらいは練習してみると便利
- 便利というだけで、やらなくても暮らせるのでそんなに考えない、何もしないのもあり
- タイミングは書くのに慣れていない早めの時期に始めた方が本人はラクかも(あくまで私の話)
- 嫌ならやらない
利き手の矯正はやっぱり不自然なことだと思うし、まあ不便なことはいっぱいあるけどやっていけるので何もしなくても、そのまま育てても全然いいと思ってます。
だって私が使ってた缶切りや刃が斜めのピーラーが実は右利き用に便利に作られてるって知ったのも30歳過ぎてからですよ。
マウスだって最初から右側にあるものだと思い込んでたし、「そういうもの」って思ってたらあんまり不便だと思わなかった(右利きの人はそれを「便利に、使いやすく」使えるのはちょっと羨ましいけど)。
学生の書くことが多いうちはちょっと苦労も多いかもしれないけど。
自分の息子が左利きだったら、文字だけを無理のない範囲で練習しよう程度に思います。